真田幸村(上): -真田三代伝- [Kindle版]
真田幸村とその一族の活躍を描いた物語の上巻は、幸村の祖父・幸隆の時代から始まる。武田信玄に仕え智謀の将として名を知られるようになった幸隆と、その子である昌幸の活躍を中心に物語は進み、やがて幸村の初陣、そして関ヶ原での上田城攻防戦を迎える。本作は有料ランキング二部門で1位を獲得し、総合ランキングトップ100入りを果たした。
👑「日本史」「評論・文学研究」の二部門で1位
👑 有料総合ランキングトップ100入り(最高位76位)
竹本:真田幸村という人物を描くためには、幸隆・昌幸らの軌跡をたどる必要がありました。上巻は、信濃・上野を中心として物語が展開されます。彼ら真田一族がこれほどまでに軍事・外交に優れていた理由は、やはり環境の影響が大きかったと思います。周囲を大勢力に取り囲まれた彼らは、地形を活かした戦闘技術と交渉術を磨くより他生き残ることができなかったのでしょう。下巻では舞台が大坂の陣に移りますが、そこで見せた幸村の働きは一族が培ってきた技術の集大成であったともいえます。大河ドラマ「真田丸」の放映と共に出版した本作は、ドラマを見るうえでの参考材料にもなると思います。
真田幸村(下): -真田三代伝- [Kindle版]
物語の舞台は紀州九度山から大坂の陣へと移る。幸村は後藤又兵衛らと共に大坂城内で一軍を預けられると、「真田丸」での攻防戦で武名を轟かせる。だが、家康の謀略により大坂城の濠を埋められた豊臣家は、窮地に追い込まれる。そして夏の陣と呼ばれる死闘の中で、幸村は家康を相手に後世に語り継がれる働きを見せていく。
👑 新着「歴史・地理」「日本史」の二部門で1位
竹本:大坂の陣については、「後藤又兵衛」でも採り上げたのですが、書き切れていない部分もあったため本作でそれを描くことが出来、感謝しています。書き手として、史料を読むだけでなく、道明寺・国分・誉田陵・天王寺ら戦場となった辺りに何度も足を運び、地勢を見ながら当時の戦いの運びを掴んでいく作業は面白かったですね。おそらく戦場を駆ける幸村にとって、戦いは刹那の内に終わった感覚があったと思われ、そうした感覚を表現するために最期のシーンではできるだけテンポを損なわぬよう、あえて淡々と描くことを意識しました。